the counter pop’s blog

ロックバンド ザ・カウンター・ポップのブログです!

83. 「天国 退屈 欲望」 ランタナ









 コンビニエンスストア
天井まで届くほどの
大きな硝子の向こうに
立ちすくむナミコの
姿が見える


 ちょうどナミコの
立っているところの硝子に
通りの反対側に位置する
アンティーク照明店の
ディスプレイが映り込み
ナミコの体中が無数の蛍に
包み込まれて
いるように見えている


・・・計画は実行されなければならない・・・


 アパートの近所の
ありふれた都会の
小さなガソリンスタンド
巨大なタンクローリー車が
夕刻のガソリン補充に訪れ
敷地内に車を付ける


 路肩に止めた
俺達の軽自動車から
距離にして50〜60m程か
 タンクローリー車と
軽自動車を結んだ
直線上に障害物は無い
 というより
そういう店を選んだんだ


 目の前の横断歩道を
夕方の買い物途中の
主婦や学生
そして今からが
出勤なのだろうか
派手な衣装の
外国人女性らが
気忙しく歩いている


 横断歩道の信号が
点滅を始める・・・


・・・通りを渡る人々の
足元が
少しだけ早くなる


 いつからだろう
いつの間にか
聞こえなくなっていた左耳が
聴覚を取り戻した
みたいだ・・・
 都会の喧騒が渦を巻き
太くって濃い空気の
帯になって
頭の中にぐるぐるぐるぐる
流れ込んで来るのに気付く
それは高波に巻き込まれた時に
内耳に侵入してきた
海水のように
左耳の奥底に
しつこくまとわりつき
失った過去の記憶の
1つ1つと結びついて弾け
俺の気を惑わせる


 どうする?


 青信号がスローモーションのように
点滅を繰り返している


 俺の呼吸がそれとシンクロする


 スーッ
 ハーッ
 スーッ
 ハーッ


 さぁ どうする?


 落ち着け・・・


 コンビニエンスストア
硝子越しに
まるで降臨したマリアのように
キラキラと揺れる光をまとった
ナミコが俺を
見つめているのがわかる


「・・・」


 俺はエンジンをかけたまま
停車してあった車に
窓から上半身だけ突っ込み


 ギアを入れた


 無人の軽自動車が
スーッと躊躇いもなく
タンクローリーに向かって進み
加速してゆく・・・


 さあ はじまりだ・・・


 何もかも燃やせ!!


 混乱が俺たちを
運ぶんだ・・・
あのアパートへと・・・

 
 通行人の悲鳴が響いた・・・



                       つづく




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by ROCKER’S DELIGHT 2月号
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